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「ゲパント(小分子経口CGRP受容体拮抗薬)」

Dr.丹羽の頭痛コラム

小分子経口CGRP受容体拮抗薬であるゲパントは4種類あり、米・アラガン社のatogepantが本邦でも治験進行中であり、今後、使用可能になると考えられます。
Atogepantを12週間投与して、1カ月当たりの片頭痛が起こる日数を減らせるかを調べる第3相臨床試験を行い、プラセボに比べ1カ月当たりの平均値で1.2~1.7日減少していたと英国の権威ある学会誌に2021年8月19日に掲載されました。
Atogepantの半減期(つまり、効果が半分になる)はおおよそ11時間で、最大血漿濃度に達する(つまりは効果がmaxになるまでの時間)までの時間は1~2時間でした。
Atogepantは開発段階にある経口投与用のCGRP受容体拮抗薬(ゲパント系薬剤)で、現在は米国食品医薬品局(FDA)による審査中です。承認された場合、反復性片頭痛の予防的治療薬として開発された最初で唯一の経口ゲパント系薬剤になる予定です。
注目すべき点として、すでに米国で片頭痛急性期治療薬として承認されたRimegepantは、単回投与で48時間持続する鎮痛作用を認めた患者が多くいたことで、予防への適応拡大が承認されれば、2つの目的、つまりは片頭痛予防薬&片頭痛急性期治療薬の両面から使用できる唯一の経口片頭痛治療薬として独自のポジショニングを築くことになります。