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「マスク頭痛」に注意して下さい!

Dr.丹羽の頭痛コラム

新型コロナはいつ収束するのか?、第二波、第三波はいつ来るのか、来ないのか?、新型コロナなしでは何も語れない昨今です。首コリ頭痛の原因である「スマホ首」も外出自粛措置が2か月も続けば、どなたでも多かれ少なかれ起きていることでしょう!
コラム(48)でも少し触れましたが、日本人、特に若者が大好きな伊達マスク依存症の方だけではなく、今や新型コロナを防御のためにほぼ全員がマスクを着用している現状です。
マスクを常時していると、片頭痛をお持ちの方だけでなく、緊張型頭痛(スマホ首頭痛)にも悪影響を及ぼします。
①十分な酸素が吸えない、自分の吐いた息をすぐに吸うため二酸化炭素が多く含まれた空気を吸うことになります。二酸化炭素は頭蓋内血管を最も強く拡張させる化学的因子なのです。片頭痛をお持ちの方は、ドライアイスを長時間吸っていると発作が起こってしまいますので、ご注意を!
②マスクは両耳をゴムで固定していますので、徐々にコメカミ(側頭筋と言います)に負担がかかり、その後に顎の筋肉(咬筋)にも負担が及び、最終的には頭蓋骨にくっ付いている胸鎖乳突筋(耳たぶの後ろに頭蓋内の出っ張りが触れると思います。この直下の筋肉で首のほぼ中央にある大きな筋肉です)に強い負担がかかります。
長時間のマスク着用はこの胸鎖乳突筋が凝ってきますが、スマホ首同様、強い首コリ頭痛になります。
③マスクを着用していますと、体温が36.0℃で目の周囲も36.0℃だとしても、マスク内は40.0℃以上に容易に上がります。今までにサウナに行かれた方は少なからずいらっしゃるかと思いますが、サウナ内の熱い空気は吸い難いですし、何となく息苦しいですよね?
また逆に冬にマスクをしていると防寒だけではなく、吸気温も高くなりますので呼吸をすると暖かく感じると思います。
マスクを長時間着用していますと結果的に息苦しく感じるだけではなく、吸気温度が上がることで口腔周囲の血流も良くなり、ひいては頭蓋内血管を拡張させてしまいます。
もちろん時節柄、マスクを着用しないでの外出・就労は非常識と考えられてしまいますし、新型コロナ防御のためには絶対必要な武器になりますが、長時間に渡るマスクは頭痛持ちの方には発症の強い誘因になってしまいますので、クリーンで感染の可能性がない場所では1時間に1分でも良いのでマスクを外して下さい。口腔周囲温度も低下して、体内の二酸化炭素も急減します。
「スマホ首頭痛」になりがちな現状ですが、「マスク頭痛」を併発しない様に留意して頂き、頑張りましょう!