スーパーフードって頭痛に良いの?
巷で流行っているスーパーフード、沢山の種類がありますが、頭痛の良いのでしょうか?
こんな質問を最近、患者様からよく聞かれます。
全てはご紹介できませんが、お勧めはあまりありません。ほとんどのスーパーフードにポリフェノールが入っているからです。
頭痛に良いスーパーフードは、水を含ませると膨らみ、ゼリーのようなプルプルした食感になるチアシード。胡麻よりもさらに小さいこの種子は科が同じことから「ミントの仲間」とも言われますが、厳密に言うとシソ科アサギリ属(サルビア属)なのでミントよりもセージに近い食物の種子です。オメガ3系脂肪酸や抗酸化物質の量が多いことが発表され注目されました。たんぱく質、オメガ3脂肪酸(α-リノレン酸)、必須アミノ酸の8種類/9種類中(イソロイシン、ロイシン、バリン、リジン、メチオニン、フェニルアラニ、トレオニン、トリプトファン)、食物繊維、カルシウム、亜鉛、マグネシウム、鉄分、ビタミンB群が含まれていますが、トリプトファンとマグネシウムが頭痛にはうってつけです。
「死以外のあらゆる病を癒す」とも言われるほど効果抜群のブラッククミンシードも、ビタミン(A、B1、B2、B6、Cなど)、ミネラル(カルシウム、カリウム、鉄、マグネシウム、亜鉛など)、オメガ6(代表的なものはリノール酸などの必須脂肪酸)、オメガ9〈オレイン酸やエルカ酸といった不飽和脂肪酸)、チモキノンが含まれています。チモキノンとはアルツハイマー型認知症の原因であるβアミロイドの神経細胞毒性を保護する作用があります。ブラッククミンシードにはα-リノレン酸やビタミンEなど免疫を強化する働きや抗酸化作用を持つ成分が含まれており、アンチエイジングにも有効といわれています。ビタミンB2、マグネシウム、α-リノレン酸が頭痛には功を奏します。
ミドリムシ(ユーグレナ)には、セロトニンの元になるトリプトファンと抗うつ作用を持つフェニルアラニンが含まれています。フェニルアラニンは必須アミノ酸の一つで、非必須アミノ酸であるチロシンとなってドーパミンやノルアドレナリン・アドレナリンなどの興奮性の神経伝達物質を作り出す性質を持っています。これらの神経伝達物質が分泌されると、興奮状態または幸福感を覚えます。フェニルアラニンそのものには痛みを抑える効果もあり、人工的に合成されたD-フェニルアラニンは鎮痛剤として医療現場で利用されています。フェニルアラニンの摂取は抑うつ状態の予防に繋がり、今や現代病と言われるうつ病対策として重要な役目を果たしています。一般には「フェニルアラニンは脳内に存在している物質なので取りすぎても問題ない」と考えられており、過剰摂取に対するリスクは低いと考えられていますが、フェニルアラニンの過剰摂取は血圧の上昇を招く恐れがあります。また、フェニルアラニンを脳内に取り込むための器官である「血液脳関門」は、同じく必須アミノ酸のトリプトファンと同一のものが使われているためフェニルアラニンが過剰摂取で大量に存在するとトリプトファンの取り込みが阻害され、セロトニンの生成量が減少してしまうという弊害もありますが、頭痛には良いスーパーフードと言えます。
カルシウムとマグネシウムを豊富に含むアサイーですが、残念ながらポリフェノールも含んでおり、片頭痛の方にはお勧めできません。
その他、スピルリナには必須アミノ酸を9種類、タンパク質、食物繊維、クロロフィル、天然色素のフィコシアニン(抗炎症作用、抗酸化作用、免疫力↑)、γ-リノレン酸、リノール酸、カリウム、鉄分が含まれていますが、副作用に、亜鉛摂取が多くなり過ぎて、亜鉛過剰による頭痛が生じやすいので注意を!