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ボツリヌス治療が欧米で普及している訳?

Dr.丹羽の頭痛コラム

今でこそ、当たり前の治療になっている片頭痛の頓挫薬トリプタン製剤。
欧米では1990年代初めに認可されています。それまでは片頭痛の特効薬がなく、認可と同時に猫も杓子もトリプタンを使用する様になり、その数年後、あっという間にトリプタンによる薬物乱用頭痛が広まりました。
時近くして1993年に前額のシワ伸ばしにボツリヌス治療を受けていた患者さんで頭痛が良くなった事が報告されました。
その論文では、ボツリヌス治療を受けていた頭痛持ち患者さんは134名、そのうち77名が片頭痛で、ボツリヌス治療を受けて51%もの患者さんが頭痛が完全に消失、部分的な改善も含めると、何と89%もの患者さんでボツリヌス治療が効いたとするものでした。
その後、米国・英国では片頭痛治療としてボツリヌス治療を承認しました。
日本では経口薬としてのトリプタン製剤は2001年から認可されていて、前述の経緯も当然知っており、ボツリヌス治療は保険治療としては承認されていません。
自費治療になりますが、慢性片頭痛や慢性緊張型頭痛の一つの治療法になり得るとは思います。