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側頭動脈炎

Dr.丹羽の頭痛コラム

頭痛には色々な原因があります。
中にはほっておくと大変は事になってしまうものもあります。
皆様は側頭動脈炎という病気を知っていますか。
側頭動脈炎は、我々頭痛を扱う医師が絶対に見逃してはいけない病気の一つです。
治療が遅れると失明をする可能性もあるからです。50歳以上の方で初めてこめかみを中心に頭痛が続く場合は、側頭動脈炎の可能性もありますので、ぜひ頭痛専門医の外来を受診してください。
側頭動脈炎は50歳を過ぎてから初めて起こる持続する頭痛を特徴としています。
痛み方や強さは様々ですが、こめかみにある浅側頭動脈に炎症が起こる事が原因で起きる頭痛です。そのため側頭動脈炎と呼ばれています。
痛む場所はこめかみの辺りが最も多く、他に後頭部や耳の近くが痛くなることもあります。眼に行く血管に炎症が起こることもあり、この場合は急に眼が見えなくなります。治療が遅れると失明する事もある怖い病気です。
微熱や全身倦怠感、手足の痛みも伴います。血液検査では血沈という検査に異常がでます。超音波検査で血管が炎症を起こし狭くなっている様子を確認できる事があります。
確定診断には、生検検査が必要です。側頭動脈炎の場合は側頭動脈の一部を取ってきて、顕微鏡で血管に炎症が起こっている事を確認できれば診断がつきます。診断さえつけば側頭動脈炎の治療は決して難しくはありません。
ステロイドという薬を使うと痛みは数日で消えてしまいます。しかし痛みが消えても病気が再発しないためにステロイドを半年位かけてゆっくり減らして行く頃が必要です。
何ヶ月にも渡ってこめかみにひどい頭痛があるのにもかかわらず、原因が分からないと言われて困っている年配の方は、この病気について頭痛専門医にご相談する事をお勧めします。