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光が苦手な片頭痛の方は夏の太陽には気をつけて!

Dr.丹羽の頭痛コラム

片頭痛をお持ちの方は肩こり・首こり頭痛(緊張型頭痛)や群発頭痛とは違い、光や音、匂いにとても敏感です。
この理由は未だにはっきりとはわかっていません。国際的には光過敏はphotophobia(光恐怖症)という言葉に置き換えられ、光刺激は片頭痛の引き金になったり、片頭痛発作時の増悪因子になったりと、とても厄介な刺激なんですね。
最近、ハーバード大学からの報告で、片頭痛持ちの方の光過敏に関してとても興味深い深いものがありましたので、ご紹介します。
光に全く感覚のなく視力もゼロの片頭痛の方(視神経が障害されているか眼球を摘出している方)とほとんど視力はないながら光は感じる片頭痛の方(光知覚は温存されているけれども極端に視力が低下しており、画像形成視力がない方)で、強い光を曝露した際に片頭痛が悪くなるかを調べたものでした。ほとんど視力はないながら光を感じる方のみ、片頭痛が悪くなったという結果です。
わかりやすく説明しますと、人間は物や光を見る時、網膜を使います。この網膜細胞には画像を形成する網膜細胞と画像を形成しないで光を感じる網膜細胞があるのです。ハーバード大学の研究で片頭痛が悪くなった方は、画像を形成する網膜細胞は障害されており、かつ、画像を形成しないで光を感じる網膜細胞は障害されていないということになります。この画像を形成しないで光を感じる網膜細胞にはメラノプシンがたくさん含まれています。良くPCやスマートフォンからはブルーライトが出ているので目に良くない!と言われますが、このメラノプシンが関わっているのです。
ですから、夏に日光浴で目をつむっていてもメラノプシンが光を感じてしまえば片頭痛は簡単に起きてしまうということです。
麦わら帽子、パナマハットだけでは危険です。サングラスなどでこの夏はご注意ください