TOPへ

ブログ

国際頭痛学会 in Vancouver(その6)

Dr.丹羽の頭痛コラム

国際頭痛学会では若い医師のための面白い教育講演もやっていました。私の子供と変わらない年齢の若い医師に混ざって、何をやっているのか、こっそりと聞いてみました。2640名の片頭痛患者さんに医師に求める事、名医と思う事ベスト5と医師に失望するワースト5の説明がありました。
ベスト5は順番に、
①片頭痛を完治してくれる医師
②一剤の予防薬服用で、副作用なく片頭痛をコントロールできる医師
③何故、片頭痛を起こす様になったか、片頭痛を起こす機序や症状などの説明をしてくれる医師
④患者さん自身で可能な予防法や服薬でない片頭痛治療のアドバイスをしてくれる医師
⑤片頭痛発作による身体ダメージは何か、長期間の片頭痛に対する薬剤服用による副作用の説明をしてくれる医師
ワースト5は順番に、
①片頭痛を治せない医師
②片頭痛発作薬の処方のみで、片頭痛発作の原因に対する対処法を含めて全く説明をしない医師
③治療薬で効果がないと、すぐに鍼灸やボトックス治療などを勧める医師
④片頭痛予防薬は沢山の種類があるにもかかわらず、例えば血圧の低い患者さんに対して降圧剤であるβ-ブロッカーの処方や長時間効いてしまい催眠効果の強い抗うつ剤の処方など、患者さんにそぐわない予防薬の処方をする医師
⑤薬物乱用性頭痛の発症防止のため、鎮痛薬やトリプタン製剤の処方を非常に制限してしまう医師
でした。
これは片頭痛患者さんよりも、日本全国の頭痛専門医に読んで頂きたいコラムですね。
以前のベスト5の順番(今から10年以上前)は、上記③、④、①、②、⑤でした。私自身、③、④、⑤は何とかクリアできていると自負しているのですが、①、②は患者さんの状態にもよりますので難しい・・・、日々、精進ですね。