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国際頭痛学会2019(Dublin)ーその2ー

Dr.丹羽の頭痛コラム

前回ご紹介したgammaCore以外の2つの非侵襲性の治療について報告します。
まず、1つはtheranica社が発案したNerivioという上腕に電気的刺激を入れて片頭痛発作を軽減するものでUSAのSilberstein先生が報告されていました。上腕にいかにもMacintosh社製っぽい、かつ、six padみたいなパッチ(写真)を貼る治療法です。18歳以上の前兆(閃輝暗点)を伴わない反復性片頭痛の方のみと制限はある(その様な患者さんだけに試してみたと言った方が良いのかも)のですが、パッチを25~60分位貼っているとそのパッチから上腕に入る電気刺激(全く痛みを感じないそうです)が脳幹にある痛みの調節機構に作用して痛みを抑えてくれるというものです。今までは刺激した部分のみの痛みを抑えるという概念でしたが、このNerivioというデバイスは上腕からの無痛性の電気刺激が脳幹の痛み調節中枢を抑制することにより片頭痛を起こす原因である三叉神経の活動を抑制して片頭痛を痛みを抑え込むという新しい治療法で、全く副作用がなく、片頭痛発作時にご自身でどこにいても治療できるというものでした。