妊婦さんや授乳婦さんは片頭痛の薬は飲めるの?
妊娠中・授乳中の片頭痛をお持ちの方から良く質問をされますので、一度、まとめてご説明します。
2013年に作成されました日本神経学会&日本頭痛学会が推奨している「慢性頭痛の診療ガイドライン2013」では、片頭痛発作時に妊婦さんはアセトアミノフェン(医療機関で処方されるものとして経口薬ではカロナール、坐薬ではアンヒバかアルピニー、点滴ではアセリオがあり、市販薬ではタイレノールなど)のみ使用可能で、授乳婦さんはイミグランは12時間、他のトリプタン(つまりはマクサルト、ゾーミッグ、レルパックス、アマージ)は24時間は授乳禁止として服用可能でした。
日本は薬剤の服用効果よりも安全性第一の国ですから、製薬メーカーも副作用が出ないことだけを考えて、問い合わせれば上記と全く変わらない返答になり、参考になりません。
Scientificallyに考えてみますと、胎盤・母乳中にはほとんと゛の薬剤か゛移行しますか゛、イブプロフェンやトリプタン製剤はその濃度が低いことが証明されています。
米国小児科学会て゛はイミク゛ランは授乳中に使用可能とされています。また、レルハ゜ックスは母乳への移行か゛極めて少ないため、国立成育医療研究センターの妊娠と薬情報センタ ー「授乳中に安全に使用て゛きると思われる薬」リストに、イミク゛ランと共に掲載されています。また、国立成育医療研究センターは妊婦さんのイブプロフェン(ブルフェン、市販薬はその他の成分も入っており妊婦さんは服用禁)服用も安全と結論づけています。しかし、妊娠後期(32週以降)では妊婦さんのイブプロフェン服用による胎児毒性が報告されています。
もっと言えば、虎ノ門病院でトリプタンの授乳婦への投与の可否を調べており、アマージ以外は問題ないと結論づけています。アマージは効果は他のトリプタンより弱いのですが、効果持続が長い特徴を持つためかもしれませんが、アマージも母乳への移行が極めて少ないので、今後、全てのトリプタン製剤が授乳婦さんに問題なく服用できるようになるるのでは?と、思っております。
当然、主治医の先生にお聞きなって頂きたいのですが、現状では妊婦さんは片頭痛発作時にはカロナールか妊娠中期までであればブルフェンを、授乳婦さんはイミグランかレルパックスを服用しても母体・胎児ともに安心という事になると思います。あくまでも私見ですが。