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思春期にみられる頭痛の特徴

Dr.丹羽の頭痛コラム

頭痛を主訴に外来を受診する小児は、その原因の大半が片頭痛であると言われています。
一般的に片頭痛は、頭痛発作がない時に普通に生活ができます。
一方、不登校・不規則登校など日常生活に支障を来す頭痛の中には慢性連日性頭痛というものがあります。
慢性連日性頭痛は、1日4時間以上の頭痛が月に15日以上3ヶ月を超えて続く頭痛であり、慢性片頭痛、慢性緊張型頭痛が多いと言われています。
慢性片頭痛の診断基準は、閃輝暗点(目の前にギザギザと光が走る)や視野欠損(物が見えにくくなる)などの前兆を伴わない片頭痛が月に8日以上ある事です。
慢性連日性頭痛の治療は片頭痛の時に使用される予防薬が中心となる事が多いです。しかし、治療が難渋する要因としては、慢性連日性頭痛には慢性緊張型頭痛の割合が多い事や、心理的要因、精神疾患が共存している事も関係している為です。
小学校高学年から中学生になる思春期は、子供から大人へなる大事な時期です。
心身ともに様々なストレスがかかる年齢であり、頭痛で学校へ行けなくなる割合が増加しているというデータがあります。
慢性連日性頭痛で不登校や不規則登校のお子様は、登校できるお子様に比べて慢性緊張型頭痛の割合が高い様です。
私たち頭痛治療に関与する医師たちも、思春期特有の心理的要素、背景、環境などを広く考慮しながら診断、治療にあたっていきたいと思っております。