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熱中症による頭痛の予防法や解消法

Dr.丹羽の頭痛コラム

熱中症が出始めるのは5月くらいからで、高温・多湿・風のない場所で起こりやすくなります。
熱中症とは、体温を調整する機能がコントロールを失い、体温がガンガン上昇してしまう機能障害のことです。
熱中症は、以前は症状で4分類(熱失神・熱疲労・熱けいれん・熱射病)されていましたが、現在では日本神経救急学会の熱中症検討委員会により3段階に改訂されています。
なんと頭痛や吐き気は中等度以上の熱中症でないと起きないんですね!
よく暑い日長時間外にいたり運動をしたりすると頭が痛くなった、という話を耳にしますが、これは放っておいてはいけない熱中症になりかけているということです。
熱中症による頭痛の治し方は、基本的には熱中症対策と全く同じで、体を冷やして体温を下げたり、こまめに水分補給して脱水症状を軽くすることが重要です。
熱中症による頭痛の6つの予防法・解消法についてご紹介します。
水分補給
頭痛は体の水分が不足することが原因で起こっていることが多いので、普段から野菜や果物など、水分の多いものを積極的に摂取しましょう。コーヒーなどカフェインを含むものやアルコールなどは利尿作用があり、脱水を起こしやすいのでNGです。
ポイントは、「のどが渇いたな」と感じる前に水分を摂ることです。
スポーツドリンクは砂糖が多すぎるので、自分専用の熱中予防ドリンクをペットボトルや水筒に飲み物を入れて持ち歩くこともお勧めです。500mlのペットボトルの水に塩小さじ1/4程度、砂糖大さじ2杯の程度の割合で、お好みに合わせてスッキリするフレイバーを入れても良いと思います。
大切なポイントは発汗で失われる塩分(特にナトリウム)を入れることです。
また、本当に頭痛が強くなってしまってから水分を補給しても、なかなか痛みは消えません。
頭痛を何度か経験したことのある人は分かると思いますが、頭が痛くなるとき、ピリピリしびれるような前ぶれを感じたことはありませんか?
その段階でこまめに水分補給することで、本格的な頭痛を避けることが出来ます。
動く前に準備運動
暑いときに急に体を動かすと、脳の血管が拡張して頭が痛くなりやすくなります。
熱中症は、からだが暑さに慣れていないことで起こるので、からだが暑さに慣れるように、1日30分程度のウォーキングをするなど、暑さに対抗できるからだづくりをしておくと良いでしょう。それが無理でも、外回りや外出前は1~2分程度でも良いので、室内での階段の上り下りやストレッチをしておくだけでも効き目があります。
運動や仕事で外回りを始める30分前に、250~500mlの水分を何回かにわけて飲んでおく、運動中・外出中は20~30分ごとに一口程度でも良いので水分を摂取することも大切です。
一度頭が痛くなると、途中で休んでもなかなか簡単に回復することはありません。
大切なのは、頭痛になるのを予防することです。
急な温度変化を避ける
空調設備の整っている日本では、室内と外気の温度差が激しいことがほとんどです。これがかえって問題で、暑い・寒いを短時間に繰り返すことは、想像以上に体力を消耗します。
冷房の効いた室内から炎天下の屋外に出ると、すぐに頭が痛くなります。
逆に暑い屋外から冷房の効いた室内に入ったときも同様のことが起こるので、これは体が急な温度変化に着いていけなくなっている結果です。
夏場でも必ず1枚上に羽織るものを持ち歩き、冷房の効いた室内に入るときには体が急に冷えるのを避けるようにしてください。
首筋を冷やす
熱中症による頭痛を起こしたときには、まず冷たいタオル等で首筋を冷やしてください。
首筋を冷やすことで体全体がすばやく冷えていくので、最も効果的です。
外出時は冷たい缶コーヒー(利尿効果は×ですが、カフェインが血管収縮するので)、できれば砂糖入りの缶コーヒー(アスパラテームという人口甘味添加物は脳の血管を拡張するのでNG)を2本購入して、両方の首筋に当てます。それにより脳の血管拡張の元になる首の太い動脈・頚動脈の拡張を抑えられます。少し頭痛がおさまった時点で、缶コーヒーを飲むと良いですよ。
空腹を避ける
空腹は、梅雨だけではなく、どのような時でも頭痛を起こしやすくなります。
頭痛のときに食事をするのは辛いことかもしれません。こってりしたものだと気持ち悪くなってしまう可能性があるので、出来るだけあっさりした、体を温めるものがおすすめです。
熱中症を起こしやすい人は夏場に外出するとき、出来るだけ空腹を避けるようにしましょう。
衣類をゆるめる
体が窮屈な状態では脳圧が上がって頭痛が起こります。リラックス状態で脳圧が下がるように衣服のボタンやベルトをゆるめます。靴や靴下も熱がこもるので脱がします。可能であれば、上に着ているズボンやシャツも脱がした方が良いです。その際、外ならば直射日光が当たらないように、室内ならば部屋を暗くするようにしましょう。