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熱中症頭痛

Dr.丹羽の頭痛コラム

コラム39でも既に熱中症頭痛に関しては説明をしておりますので、被らない説明をします。
熱中症によって体温が上昇すると、体内の水分や塩分のバランスが崩れ、体温の調節機能が働かなくなり、頭痛が発生します。
熱中症による頭痛は、しばしば激しいパルス状の痛みや頭重感を伴います。
パルス状の痛みは脳への血流が瞬間的に不十分になることや体が高温になることにより起こります。
頭重感は発汗に伴う塩分の不足で筋肉の硬直やこむら返りが生じ、また、高体温に伴う炎症性インターロイキンにより筋肉痛が起こり首コリや肩コリによる頭痛を起こします。
もっとわかりやすく説明しますと、片頭痛は高体温により血管が拡張し、脳組織への血液供給が増えることで生じることがあります。
反対に、パルス状の痛みは体温が上昇し、体内の水分と塩分が不足すると、血液の流れが悪くなり、脳への血流が低下し、パルス状の頭痛、吐き気といった症状を起こします。
熱中症による頭痛の機序としては、脳血管の拡張や神経の興奮などが関与して発生することが考えられます。体温が上昇すると、体は体温を下げようとする反応を示しますが、これらの反応が適切に機能しないと、体温の上昇は止まらず、脳内の温度も上昇します。この結果、脳の神経細胞が興奮し、頭痛を引き起こすのです。
また、体内の水分と塩分が不足すると、血液の流れが悪くなり、脳への血液供給が不足し、その結果、脳組織が十分な酸素と栄養を得られず、頭痛を助長します。
①熱中症頭痛の緩和方法
安静
涼しい場所での休息
頸部(喉仏の横)の冷却
※頭部の冷却とよくwebで見かけますが、頭部を冷やしても脳への効果はほとんどありません。
水分補給も必要で、スポーツドリンクなど
②熱中症頭痛に効果的な治療薬
軽症の場合はOTC製剤である鎮痛剤(イブやロキソニンなど)
通常は効果的な薬剤はありません!
③熱中症予防のポイント
熱中症予防には適切な水分補給、適度な休息、適切な衣服選びなどが重要です。
特に、高齢者や乳幼児、運動をしない人や肥満、体調不良を抱えている方は要注意です。
これらの方は体温調節機能が衰えていたり未熟なことが多いため、気温・湿度が高い環境にさらされると熱中症になる確率が高いと考えられます。
④水分補給と塩分摂取の重要性
体温上昇や発汗により失われた水分と塩分を適切に補給することは、最低限必要な処置になります。
体温が上昇し、発汗が増えると、体からは大量の水分が失われるため、脱水症状を引き起こします。
また、発汗により体からは水分だけでなく塩分も失われます。
塩分は体の水分バランスを調整し、神経や筋肉の機能を維持するために必要です。
そのため、塩分も補給することが重要です。
スポーツドリンクや麦茶と梅干しの組み合わせは、水分補給と共に塩分も摂取できるため最適です。
⑤環境調整や適切な服装の選択
熱中症は、高温多湿の環境での運動や作業、または室内での冷房設備の不適切な使用によって引き起こされることがほとんどです。
室内の温度は28℃程度に保つこと、湿度は50〜60%に保つことが理想的です。
⑥熱中症頭痛予防の行動
高温時には無理な運動を避け、日陰での活動や休息を心がけることが重要です。
また、熱中症の初期症状を感じた場合は、すぐに涼しい場所で休息をとり、水分と塩分を補給することが必要です。
これらの行動指針を守ることで、熱中症頭痛の予防につながります。