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群発頭痛の方に朗報です!

Dr.丹羽の頭痛コラム

2年に一度、私共医療の世界では、診療報酬の改定が行われます。国にとっての・・?、私共医師にとっての・・?、患者さまにとっての・・?、とにかく改定されるのです。
群発頭痛をお持ちの方にしか効果がありませんが、それでも朗報です。
群発頭痛発作時の治療として、片頭痛の発作時に使用するトリプタン製剤が奏効しており、逆に市販されている鎮痛薬は全くと言って良いほど効果がないため、今まではトリプタン製剤を服用もしくは自己注射をして頂くしかありませんでした。
年に1、2ヶ月間の限定発作で済む群発頭痛・・・、でも、その1?2ヶ月は何もできない程辛いのですが・・・の方は、片頭痛持ちの方と異なり、一年中、トリプタン製剤が必要な訳ではなく、群発頭痛の期間が過ぎてしまえば、頭痛のことなどケロッと忘れてしまえるので、たとえトリプタン製剤を毎日使用したとしても薬物乱用頭痛にはなり得ない訳ですが、痛みの程度は半端ではなく10段階で片頭痛発作激痛時が10/10だとしますと、群発頭痛発作の激痛は皆さん揃って100/10とあり得ない数字を言われます。痛みの程度は数値では測れないのですが、とにかく物凄く痛いという事です。その群発頭痛発作にのみ効く治療法として、純酸素吸入という治療法が以前から頭痛を専門とする医師の間では良く使用されています。酸素マスクで100%酸素を7L/分で15分間吸入する方法です。
アメリカでは12L/分のhigh-flow酸素が良いという報告もなされています。どちらも群発頭痛発作患者さんの約80%に効果を認めており、副作用がありませんので、お子さんや妊婦さんにももってこいの治療法なのですが、群発頭痛発作が始まって10分以内に始めないと効果がありません。そのため、医療機関受診中に群発頭痛発作が起これば純酸素吸入を行えますが、明け方に発作が多い群発頭痛は自宅での純酸素吸入が必要となり、患者さまに自己負担で酸素ボンベを購入して頂くしかなかったのです?
この治療がようやく厚労省にも認められ、平成30年度診療報酬改定で群発頭痛も在宅酸素療法の適応疾患になりました。つまり、酸素ボンベもマスクも買取の必要がなくなり、保険医療で全てがレンタルができ、不要になれば酸素ボンベを返却できるようになりましたので、患者さんのご負担は1/3以下になります。 とは言え、それでも患者さん負担は月に\20,000近くとお高いのですが・・・。