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脳腫瘍による頭痛

Dr.丹羽の頭痛コラム

最近有名な俳優さんが脳腫瘍との記事がありました。
脳腫瘍で起きる頭痛について書かせて頂きます。
脳に腫瘍ができて大きくなってきますと次のような兆候が出てきます。
① 次第に強くなる頭痛
② 起床時に認める強い頭痛
③ 吐き気が無いのに突然嘔吐し、嘔吐するとスッキリする
脳自体には痛みの感覚はなく、脳腫瘍によって脳が圧迫されたり、傷がついても痛みを感じる事は有りません。
脳腫瘍による頭痛の原因は、脳の圧が高くなる事が関係しています。人間は寝る事で脳圧が高くなり、眼がさめると下がるというリズムがあります。
一般には寝て脳圧が上がっても、頭痛を感じるレベルとはならないので頭痛は感じませんが、脳腫瘍で脳が圧迫され脳圧が異常に高くなると、痛みを感じる組織(血管や脳を囲んでいる髄膜)が引っ張られ痛みを感じるレベルになります。
その結果、寝ている間にどんどん脳圧が上昇し、起床時に頭痛を自覚する様になります。
突然の嘔吐は脳圧の上昇によって起きます。朝に脳圧が高くなりますと、脳の下にある延髄に圧がかかり、延髄にある嘔吐中枢が刺激され、明け方に嘔吐をする事が多くなります。
また、脳腫瘍が大きくなりますと、様々な症状が出てきます。発生する腫瘍の部位により、症状は変わりますが、視覚障害・手足の運動麻痺や感覚障害・聴力障害・めまい・記憶障害や判断力低下・痙攣発作などがあります。
起床時にある頭痛、朝に吐き気がないのに吐いてしまう等の症状がありましたら、是非脳検査をしてみてください。