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頭痛はいつから?

Dr.丹羽の頭痛コラム

現代病とも言われる頭痛とはいつから存在したのでしょうか?                                                   
日本最古の医学書『医心方』(984年→平安時代)では妊娠中、小児消化器症状、中毒、耳鼻科疾患などに伴う多くの二次性頭痛が描かれている。小児消化器症状は推測するに恐らく小児の「腹部型片頭痛」だと考えられます。そして、一次性頭痛に関しても、普段は何ともないのに発作のときは毎回、めまい(前兆)やまぶしい感じ(光過敏)、目の前がぼんやり(閃輝暗点)した後にむかむかしてすぐ吐いてしまうが、しばらく経つと治ってしまうと現在考え得る片頭痛の記載があることに驚愕しました。
薬に関しても、室町時代には奈良では「豊心丹(ほうしんたん)」という下痢や頭痛、吐血など効く薬が存在しています。江戸時代には葛根湯(葛根は首コリや肩コリに効果があります)も存在し、また、ご存知、水戸黄門さまは一般庶民にも入手可能な397種類もの薬を創った言われており、その中に頭痛薬も入っていました。
では、頭痛薬はいつから存在したのか?
ご存知の方も多いかもしれませんが、古代ギリシャのヒポクラテスが、ヤナギの皮や枝から鎮痛薬(ちんつうやく)、つまりはサリチル酸を創り出しました。サリチル酸は胃腸障害が強く、それを取り除いた今で言うところのアスピリンを19世紀に創り出したのです。その後、トリプタン製剤が創られるまで約90年もの歳月を要しているのです。
現在、頭痛に悩まされていらっしゃる方は幸せではないかもしれませんが、不幸でもないかもしれません。