頭痛持ちの方が気をつけたい薬(其の二)
今回は頭痛持ちの方がなるべく服用しない方が良い薬剤、かつ、服用される機会が多いであろう薬剤を商品名(Rは商品名を表わします)をあげてお話しします。
産婦人科で処方される女性ホルモン剤は全て片頭痛を起こす確率を高くしますので、気をつけて下さい。特に閃輝暗点を経験されたことがある片頭痛の方はそうではない片頭痛の方や片頭痛がない方に比べて、何と20倍以上も脳梗塞(脳静脈洞血栓症)を起こしやすくなります。
抗インフルエンザ薬のアマンタジン(シンメトレル)は現在はパーキンソン病の薬として使われていますがインフルエンザの薬として使う医師はほとんどいないと思います。抗うつ薬のイミプラミン(トフラニール)、パロキセチン(パキシル)、セルトラリン(ジェイゾロフト)、エスシタロプラム(レクサプロ)、フルボキサミン(デプロメール)などほとんどの抗うつ薬に頭痛の副作用があります。躁鬱病治療薬の炭酸リチウム(リーマス)は群発頭痛の予防薬として使用することがあります。
気管支喘息は片頭痛の方が合併しやすい疾患ですがテオフィリン(ユニフィルLAやテオドール)は頭痛を起こします。他の気管支喘息治療薬だけで治療が可能ですので、かかりつけの医師にご相談されてみて下さい。胃潰瘍治療薬(H2拮抗薬でガスター10とほぼ同様)のシメチシ゛ン(タガメット)やラニチジン(ザンタック)、プロトンポンプ阻害薬(これは逆流性食道炎などでも臨床医が頻繁に処方します)のオメプラゾール(オメプラール)、ランソプラゾール(タケプロン)、ラベプラゾール(パリエット)、エソメプラゾール(ネキシウム)はどれでも頭痛を起こすことがありますが、代替薬がありませんので処方してもらっている医師と良く相談しながら服用して下さい。
甲状腺機能亢進症治療薬のチアマゾール(メルカゾール)も代替薬がありませんので甲状腺機能を診てもらいながらかかりつけの医師と相談されて下さい。抗生物質のテトラサイクリン(ミノマイシン)は最近ではあまり使われませんし、また、長期に使う抗生物質ではありませんので気になさらなくて良いか?
??思います。抗結核薬のイソニアジド、リファンピシン、抗真菌薬のグリセオフルビン(グリソビンFP)は爪白癬や頭皮白癬に使われることがありますが他にも抗真菌薬が色々とありますので変更して頂いた方が良いと思います。合成抗菌薬のナリジクス酸(ウイントマイロン)は他の抗生物質で代替可能です。鎮咳剤のコデイン(コデインリン酸塩)は他の鎮咳剤が効かない時に良く処方される咳止めで便秘になりやすいですが短期間ならば頭痛は起こさないと思います。
お薬手帳は薬局で必ず一冊にまとめてもらって、かかっている全ての医師に見せることが大切です。