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2020年の夏・・・

Dr.丹羽の頭痛コラム

この夏、新型コロナのため、どこへも行くことができないので、頭痛に関して疑問を感じていたことを調べてみした。ただ、私は頭痛専門医と一般内科医の二足の草鞋を履いており、時節柄、夏季休暇中も新型コロナPCRセンター当番などもあり、以下の三点に絞りました。
①片頭痛の発症年齢やその特徴です。人間の一生は胎児期、乳児期、幼児期、小児、成人、高齢と簡単に分けられますが、65歳を過ぎると徐々に女性ホルモンのバランスが変化したり、、脳の過敏性が低下するために片頭痛発作は激減します。
では、生後何ヶ月、もしくは何年頃から片頭痛は起きうるのでしょうか?
②私のライフワークの一つですが、片頭痛をお持ちの方は様々な外的刺激にとても過敏です。神経質ではなく良い意味でのsensitiveです。光過敏や音過敏、臭い過敏は片頭痛持ちの方ならば少なからず経験があると思います。2017年にハーバード大学と当院から全く同時期に違う方法で、色による過敏性を国際学会で報告しました。ハーバード大学ては色の過敏性は光過敏の延長線上の問題で、色過敏を持っている片頭痛の方は全員が光過敏を基盤に持っている、つまりは光過敏がないと色過敏は存在しないと論じています。私は反論するかの如く、光過敏がなくても色過敏が片頭痛持ちの方には存在することを証明しました。
どちらにしても色過敏は昔から存在するはずですが、それを論じた論文は愚か報告さえ今までにありません。何かエビデンスを残したものはないかを調べてみました。すると・・・。
③上記の過敏性の他に、気圧や天候などにも片頭痛持ちの方は非常に敏感です。地震予知型頭痛なるものも存在します。東日本大震災の前に頭痛が明らかに悪くなった方や海外でも同様の報告があります。様々な説がありますが、一般人では感じ得ない微細な変化を片頭痛持ちの方ならば捉えることが可能なのでしょう。
我々は音を振動として聞いていますが、音過敏がなくとも振動過敏は存在するのでしょうか?
つまりは身体で感じる振動は音過敏の延長線上の問題なのか、全く違う観点から考えるべきなのか?
この三点について8月中に報告できればと思います。
まだまだ、謎だらけの頭痛ですが、新型コロナが猛威を振るう今年のお盆休み。いわゆる「go to」どころかせっかくの夏休みに帰省さえできない方も沢山いらっしゃると存じます。
「自己責任で!」って、「go to」にお金を捻出して帰省は規制・・・?
野次を飛ばさず、これからの政府の方針に期待しつつ、新型コロナにも頭痛にも負けずに頑張りましょう!