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CTとMRIの違いって何?

Dr.丹羽の頭痛コラム

MRIって、何回も検査する必要あるの?
今日は少しだけ難しいお話になります。
頭痛でどこの医療機関を受診されても必ずといって良いほど、CTもしくはMRIを撮ると思います。
その違いは、簡単に言えば、空気を撮る場合MRIよりCTの方が解析力が格段に上ですから、呼吸器疾患ではCT。
それ以外はMRIの方が数十倍の解析力があるため、CTを撮るくらいならばMRIになります。
CTはX線被曝ですから妊婦さんには禁忌となります。
ある報告では、冠状動脈(心筋梗塞や狭心症の原因血管)造影CTの被曝量は、胸部レントゲン写真309枚に匹敵します。その点、MRIは磁力を使用していますので被曝の心配はありません。
では、何回も同じ頭痛でMRIを撮る必要があるか?
答えはNoです。同じ頭痛を自覚していて、脳自体、脳血管、脳を包んでいる硬膜やくも膜に新たに異常が生じるとは考えられません。
しかし、いつも違う頭痛を自覚された時、同じ頭痛が続く時は、是非、何回でもMRIを撮ることをお勧めします。
軽い病気でいえば副鼻腔炎の合併などがありますが、恐い病気には椎骨動脈解離や可逆性脳血管攣縮症候群(RCVS)といった病気が隠れている可能性があります。
椎骨動脈解離は通常のMRIやMRA(MRIによる脳血管撮影法)ではわからず、MRAにBPASという特殊なMRI撮影で初めてわかることか多いですし、RCVSでは頭痛発作時と頭痛寛解時にMRAの変化で見つかることがあります。
Case by caseでMRIは撮られた方が良いと思います。