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OTC医薬品(其の一)

Dr.丹羽の頭痛コラム

平成30年になりました。年末年始でTVや雑誌の特集号があるのか、沢山のメディア取材を受けました。ある取材で我々医療従事者にとって、あまり詳細まで考えない事を聞かれましたが、頭痛をお持ちの方にとっては大切で役に立つ事だろうと痛感し、少し調べてみました。
今年、最初のコラムです。
それはOTC医薬品(一般医薬品)の頭痛薬はどうやって選ぶのか?です。
頭痛のOTC製剤は大きく分けて5種類あります。
①ロキソプロフェンナトリウム製剤
②非ピリン系鎮痛薬(イブプロフェン、アセトアミノフェン)
③ピリン系鎮痛薬(イソプロピルアンチピリン配合剤)
④漢方薬
⑤鎮痛薬と漢方薬の配合剤
です。
ご自分の頭痛に効くOTC医薬品が一番だと思いますが、似て非なるものが多いのも事実です。3回に渡って説明しますが、まず、基礎知識をお持ち下さい。
鎮痛薬には大きく分けて単純鎮痛薬と複合鎮痛薬があります。
単純鎮痛薬は痛み止め成分が一種類しか入っていないもの、複合鎮痛薬は痛み止め成分が二種類以上入っているものと定義されます。こう聞かれると「複合鎮痛薬の方が効くに決まっているじゃない!」と思われるかもしれません。
①?⑤に関しては、次回に商品名をあげて説明しますが、イブやバファリンで効かない時にロキソニンを服用される患者様を良く診察します。イブやバファリンは複合鎮痛薬でロキソニンSは単純鎮痛薬です。製薬会社は頭痛を楽にしてあげようと各社必死になって、これを入れよう、この成分も入れようと頑張っています。でも、実はこれが間違っています。「鎮痛薬は使い過ぎてはいけない」とどなたでも自覚があるはずです。
単純鎮痛薬は月に14日までならば服用しても大丈夫ですが、複合鎮痛薬は月に10日服用するだけで、薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛: 詳細はコラム46と47で説明しております)、つまりは薬物中毒になってしまうのです。「じゃあ、漢方薬は副作用もないし、漢方薬が良いんじゃない?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。漢方薬も合う合わないがあり、沢山の生薬が入っていますので、肝臓や腎臓に負担がかかってしまう事もあります。
是非、ご自分に合う頭痛薬を見つけて、薬物乱用頭痛にならない様に上手に頭痛と付き合って頂きたいですね。
本年も宜しくお願い申し上げます。